どこまででも「鶏ファースト」で。 岡山が誇るたまごやさんの愛情ヒット商品。

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株式会社 卵娘庵  代表取締役 藤井美佐さん/（写真協力）佐藤愛果さん

「平飼い卵」を生産するたまごやさんの『卵娘庵（らんこあん）』。全国４位の出荷量を誇り、岡山県を代表する６次産業事業者の一社でもあります。元気で明るい『卵娘庵』の代表、藤井美佐さんにヒット商品、たまごせんべいの「はこひよ」とおつまみの「げんこつ鶏」が誕生するまでのお話をお伺いしました。

—「たまごやさん」がお菓子を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

藤井さん：たまごを売る時に、その良さをわかってもらうためには、たまごだけではなかなか難しくて。お家でお料理とかお菓子に使うでしょ。プリンをつくる時とか。そういう場面でのおいしさを知って欲しくて、直売所を開いたときにプリンの販売から始めたんです。なめらかプリンや、卵白を使った白いプリンなどの販売をしてきました。うちの卵は卵白までコクがあるとお客様やホテルのシェフからもお褒めいただいています。

—最初は、プリンから始まったのですね。『はこひよ』はどうやって生まれたのですか？

藤井さん：プリンが評判だったので、百貨店さんに催事に出さないかって声をかけていただいて。その時に隣に出店していたのがおせんべい屋さんだったんです。卵をたくさん使った焼きたてのたまごせんべいを焼いていて。そのおせんべいやさんに、うちの平飼い卵を使ってたまごせんべい作ってくれませんか？と聞いてみたら、ええで！って言っていただいて。そのかわり、こだわって作ったたまごでないと、やすやすはつくらんぞってことで。私もそういう思いだったのでお願いしました。

—「はこひよ」はそんなご縁で生まれた商品だったのですね！

藤井さん：このカタチになるまで、こどもに合わせていろんなことを変えてきました。私も孫が生まれたこともあったので。ちいさなお子さんがいる親御さんって、パッケージの裏側の成分表示を見るじゃないですか。こどもになんでもかんでもあげていいってことはないので。だから素材も、平飼い卵、米粉、てんさい糖、はちみつで４つの素材だけで。添加物無しで作りました。
そうしたら、サイズも大きいとバラバラこぼれるから変えた方がいいよねってことになって。はじめは大きいサイズだったのですが、一口サイズになりました。展開がニーズに合わせてといいますか、こどもが食べやすいようにと合わせてやってきました。
そのあと、デパートのバイヤーさんに、袋ではなくて箱に入っているのがいいんじゃないかってパッケージのアドバイスをいただいて。たまごの箱のような今のデザインになりました。パッケージもかわいいと言っていただいています。

—要望に応えて進化していってらっしゃるのですね！こちらの『げんこつ鶏』はどういった商品なのですか？

藤井さん：親鶏の炭火焼きです。コリッコリッ感が特徴なんですよ。お客さんにも今までに食べたことのない食感って言っていただいています。使っているのはモモとムネの部位だけなのですが、走り回っているので筋肉質で。ただ硬いのではなくて、弾力がある食感。脂身も少なくてヘルシーなんです。
平地、平飼いで砂浴びして、岡山のおひさまを当たりながら、ストレス無く餌もたっぷり食べて育っているから、おいしいって言ってもらえるのかなと思います。

—パッケージもかわいいですね!

藤井さん：「鶏肉の炭火焼きって男性が好きなのはもちろんですが、気軽に女性にも手に取ってもらえないかなって思いまして。20代、30代の家飲み女子をターゲットにしました。家に持ち寄って集まる時に、おじさんっぽいものではないほうがいいかなと。女性から、お父さんや男性にもプレゼントして欲しいですね。
形状もはじめは缶詰にしようと思っていたのですが、缶詰だと食べた後、捨てるのが大変だというお客さんもいて。真空パッケージを箱に入れた形状にしました。中が見えないと売りにくいというお店側の意見もあって、中が見えるように穴を開け、今のパッケージになりました。」

—『げんこつ鶏』もいろんな声を反映してできた商品なのですね。今後、挑戦してみたいことは何ですか？

藤井さん：味を重視してうまみだけで勝負した、一次加工の商品に挑戦してみたいです。『げんこつ鶏』はおいしいのだけれど、もうちょっと味が薄めがいいとか、無添加のものがあれば嬉しいなっていう声もありまして。食感とうまみは残して、塩胡椒もなしでいきたいです。食べるのにひと工夫は必要なのですが、時短にもなりますし、お好きな味で食べて欲しいなって思っています。

愛情たっぷりに育てられた『卵娘庵』の平飼い鶏と卵。そして、いつもお客様の声に応えて進化してきた商品たち。リピートしたくなる理由も納得です。

『卵娘庵』の藤井美佐さん、佐藤愛果さんありがとうございました！