3月8日、早朝の瀬戸大橋を渡る特急列車から見る海は、強い西風のせいで白く波立っていた。岡山駅のキオスクで買ったサンドイッチをほおばりながら、行き先不明の貨物船に見とれていた。網棚に置いたかばんの中には、約2000名の署名が入っている。ハワイ沖で米国原子力潜水艦と衝突し、約600mの暗闇に沈んだ愛媛県立宇和島水産高校実習船「えひめ丸」の早期引き揚げと、行方不明者の捜索の継続を要求する署名だ。活動のきっかけは、ある日のNHKニュースで、宇和島市内の署名活動の報道を聞き、インターネットで署名要項をダウンロード、約10日間の署名協力活動が始まったのだった。
四国に入ってからの天候は一変し、霙まじりの雨模様となった。それでも宇和島市付近は風が強かったものの、穏やかな春の日差しに恵まれていた。
市役所4階の「えひめ丸」行方不明者家族支援センターの隣には、報道関係者の控え室が設けられ、市内のゆったりとした雰囲気とは裏腹に緊迫した空気が漂っていた。
署名活動では、町内の事業所はもとより、近隣市町村の事業所、町内外の方より最終的には3000名近い方からの署名をいただくことができた。
多忙な年度末にもかかわらず、たくさんの方に快くご協力をいただき、今でも感謝の気持ちでいっぱいだ。 ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。
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