当地域には歴史的な建造物や伝統・文化が伝え残されており、風土に根付いた郷土料理やくらしの知恵なども数多く伝承されています。
しかし、それらは伝承者の高齢化や現代社会の合理化の中で年々失われつつあるものも多くあります。そこで、備北商工会女性部では、次世代へ伝承することを目的に、部員中心に地域の栄養委員・地元料理士さんと相談し、当地に伝わる郷土料理の情報収集を行い、知恵や技を受け継いでいる人々との協働により、郷土料理勉強会の実習を3回開催してレシピを作成しました。
1回目…「豆腐めし」 講師: 田辺信子 豆腐をまるごと茹で水気をきり、粒状に潰し炒めながら味付けをする。 人参・ごぼう・いんげん・ほうれん草・干し椎茸などの色とりどりの具材を盛り付ける。干し椎茸の戻し汁、いりこ、だし昆布などの出汁の自然な味わいに心が和む。主に祭行事や来客時に振る舞われている。
2回目…「地頭まんじゅう」 講師: 細川勝弘 麹に炊いた白飯と水を混ぜ常温で4〜5日置いて自然発酵させ、小麦粉を混ぜ練った生地を一晩置き2〜3倍に発酵させる。種にあんこを入れ蒸籠で蒸す。手間と時間をかけ長年の経験と技量を用いて生地を包むと、もっちりとした風味豊かな酒まんじゅうが出来る。お盆や秋祭り時期に作られている。
3回目…「ねじりかりんとう」 講師: 加藤啓子 小麦粉と卵と砂糖の揚げ菓子。季節によって生姜や柚子の皮などを混ぜて 香りを付ける。家庭的な懐かしい素朴なお菓子である。
部員が積極的に情報収集や郷土料理の勉強会に参加し、実習では色々な質問や度々の味見をするなど、次世代への伝承に役立てようと懸命に事業を行った。
作成したレシピを基に女性部としても今後の事業に於いて取り入れたり、様々なところで活用して頂けると思う。
実習においては、長年のコツの違いで出来映えに影響する難しさが有るので、経験が必要となることがわかりました。
計画では、地域の大学生や高校生に調理実習会を開催する予定でしたが出来なかった。